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SEALDs奥田愛基さんへの脅迫行為に対し厳重に抗議する
2015年9月24日、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の中心メンバーである奥田愛基さんとその家族に対する殺害予告(以下「本件脅迫」という)が、奥田さんの在籍する明治学院大学に送付された。

第189回通常国会の最大の焦点は、11個の法案を2つにまとめて審議が行われた安保関連法制(戦争法制)であった。この安保法制は、集団的自衛権行使を認めるなど、その内容もその審議過程も明らかに違憲なものであった。SEALDsは、安保法制に反対するため、そして民主主義と立憲主義を取り戻すため、国会前で毎週金曜日に抗議行動を行う等反対運動の中心的役割を担ってきた。そして、同月19日参議院での強行採決以後も、安保法制の廃止を訴えて抗議行動を継続していた。だからこそ、本件脅迫には安保法制に対する抗議行動を妨害ないし中止させようという意図が込められていたことは明らかである。

国会での審議が進むにしたがって、安保法制の内容がいかに違憲・不当であるかが露呈していった。しかし、それにもかかわらず、政府は質問に真正面から答えることはなく、ただ審議時間を重ねることだけに注力した。そして、十分な議論が尽くされないままに採決が強行された。

民主政治においては、十分な議論がその前提となっていなければ結論は正当化されない。しかし、本国会で政府与党は、まるで白紙委任をされたかのように振る舞い、数の力で押し切った。国会内で議論がなされず、議会制民主主義が十分に機能しないときこそ、民意を示すための政治的表現は極めて重要である。SEALDsをはじめとする市民は、民主主義を補完し、主権を民衆の手に取り戻すために路上に出たのである。

市民の自由な表現行為は憲法13条、21条によって保障されているが、特に、国会前の抗議行動やその他の公共の場における政治的言論は、民主政治においてはその正当性を確保する基盤をなすものであって、国民主権国家において最大限保障されなければならない権利である。

その権利が脅迫という手段で抑圧・萎縮させられることは、民主主義や国民主権の根幹を揺るがし、国家の存立を脅かす。それこそ「存立危機事態」ではなかろうか。

抗議行動の中心を担ってきた人物やその家族を標的にした脅迫は、路上で生まれてきた民主主義の萌芽を陰から卑劣な手段で摘み取るものである。奥田さんのみではなく、SEALDsの他のメンバーや個人での参加者にも萎縮効果を生じさせるものである。現在のようなインターネットであらゆる情報にアクセスでき、また匿名性を保持したまま発信もできる情報化社会においては、いつ自分が次の標的にされるか分からないのであって、こうした状況での表現の自由への萎縮効果は非常に大きい。

私たち青年法律家協会弁護士学者合同部会は、表現の自由と民主主義に対する攻撃であり、また脅迫罪(刑法222条)という犯罪行為である本件脅迫に対して断固抗議する。そして、国会前をはじめとした日本各地で行使される表現の自由とこの国の民主主義を守る決意を表明する。
2015年11月4日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
 議 長  原   和 良
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